耐震補強、バリアフリー化工事を進めていた湘南江の島駅が、2018年12月1日に全館オープンしました。今年4月から4期に分けて部分的に供用を重ねてきた様子を振り返りつつ、今の湘南江の島駅をご紹介します。
一見ショッピングモールのような駅舎。ホームはさらに上の最上階。
1. エレベーター・鎌倉口 2018年4月1日供用開始
「Suica・PASMOが使えない」が枕詞になっていた湘南モノレールにとって、ICカードが利用できるようになった4月1日は、歴史的な1日となりました。
この日、湘南江の島駅もリニューアル。2017年7月に着工したエレベーター棟が完成し、エレベーターと階段の供用を開始しました。そして、エレベーター近くには、龍口寺・腰越方面へのアクセスに便利な出入口、「鎌倉口」がオープン。さらに、より現代的なデザインとなった新たなコーポレートロゴを、駅や車両に掲出しました(モノ散歩「新しくなった湘南江の島駅」)。
2. 上りエスカレーター・江の島口の一部 2018年10月20日供用開始
この日に行われたのは「ふじさわ江の島花火大会」。毎年秋に開催されるこの花火大会は、夜空にあがる花火を楽しみながらも夏の終わりを実感させられる...そんな季節の節目のイベントでもあるような気がします。たくさんの人々が訪れるので、帰りの公共交通機関は例年どこも混雑。そのため、少しでも便利に使ってもらえるよう、花火大会当日から、増築中のエスカレーター棟正面の「江の島口」を一部開放し、5Fホームまでの上りエスカレーターをご利用いただけるようにしました。
3. ルーフテラス 2018年11月11日供用開始
ルーフテラスは11月上旬には利用可能な状態でしたが、中に入ることはできませんでした。なぜなら「モノレールdeウエディング」が控えていたからです。
モノレールdeウエディング(湘南プレミアムWeddingと共催)
駅と車両を使った結婚式「モノレールdeウエディング」は、湘南モノレールにとって初の試み。大船駅構内でのオープニングのあと、専用ヘッドマークをつけた貸切車両で湘南江の島駅へ移動、そしてルーフテラスで感動のセレモニーが行われました。
新しい門出を祝福するかのような晴天のもと、幸せそうな新郎新婦とそのご家族・友人たち。生まれ育ったこの街で、そして、慣れ親しむ湘南モノレールの駅で結婚式を挙げられたことをとても喜ばれていました。
この日のために、ルーフテラスは純白のまま?キープされていたわけです。そして、挙式終了後はその日のうちに一般開放され、たくさんの方々にテラスからの景色を楽しんでいただきました。
ここからみえる富士山を一番乗りで撮ったのでは...と思われる写真をご紹介します。
ルーフテラスから見た富士山...撮影:尾渡(湘南モノレール社長)
4. 全館オープン 下りエスカレーター・江の島口・藤沢口 2018年12月1日供用開始
そして迎えた12月1日、湘南江の島駅が全館オープンしました。
当日訪れた時の様子を振り返りながら、改めて、ホームから出口までの駅全体をみていきましょう。
ガラス越しの向こうに広がる青空と街並みに、そういえばここは空に近いところにある駅だった、と実感させられます。
駅にあるサインはどれも湘南がテーマ。それぞれ異なる絵柄にご注目ください。
お知らせをご案内するモニターも、車両と同じように桁にぶら下がっています。
ルーフテラスは改札を出てすぐ右。いきなり開放感溢れる空間が待ち構えています。
最近では、富士山を目当てに訪れる方も多いので、富士山がきれいに見える日は、駅や車内のアナウンスでお知らせすることもあります。また、屋上に定点カメラを設置して「本日の富士山」がネットで見られるサービスも近日中に開始する予定です。
踏切音が聞こえる地上に注目すると、江ノ電がのんびりと駅へ入っていく様子が見られます。
湘南モノレールの湘南江の島駅と、江ノ電の江ノ島駅はすぐそば。
ここから江ノ電に乗り換えて、鎌倉高校前や七里ガ浜、長谷など鎌倉方面まで足を伸ばしても。
江の島で「空」から「海」へ乗り換える。(「鎌倉・江ノ島パス」の詳細はこちらから)。
さて、出口までは、この日から供用開始した下りエスカレーターで。
上:ホーム5階から下へ。 下:はじめての下りエスカレーター。
下りながら感動。どうってことない普通の下りエスカレーターですが、湘南江の島駅としては待望の下りエスカレーターです。
ご案内。
続く4階から3階へのエスカレーターは、フロアを少し移動した場所にあります。まだそこまでの案内板が完成していないので、駅務員が手書きでご案内。よくみたら「あと少しだから頑張って!」なペンギンの姿も。
4階吹き抜けから。
吹き抜けを上からのぞいてみた様子。この高さには少しドキリ。
左:正面「江の島口」を外からみたところ。右:正面「江の島口」を中からみたところ。
さて、「江の島口」以外の出入口もご紹介します。
「鎌倉口」
エレベーターをご利用の場合は、鎌倉口が便利。龍口寺や腰越方面、スラムダンクで有名なあの踏切もこちらが近道です。
「藤沢口」
旧湘南江の島駅の出入口があった道路に面している「藤沢口」。枝垂れ梅や、モンゴル出身の力士たちが参拝することで知られる常立寺へ行くならこちらが近道です。
少し離れたところから駅全体をみてみましょう。
全体像。
あのてっぺんから降りてきたことになります。
ところで、これが夜になると...
なんということでしょう。ロゴの上には輝くイルミネーションが。
「江の島口」前の横断歩道を渡ってすぐが江ノ電江ノ島駅。江ノ電スズメたちは、暖かそうな新作の服にくるまれていました。
ウチにも来る?(モノ散歩「湘南モノレール沿線のスズメたち」)
駅前のタリーズで、江ノ電越しに湘南江の島駅を眺めながらひと休み。
湘南江の島駅は変わりました。
昨年冬の様子。
今となっては懐かしの光景。
切符を買うための行列(皆川典久さんの『湘南モノレールに乗らずに』--東京スリバチ学会主催「湘南モノレールには乗らないでツアー」での一コマ)。
左上:改札前の顔出し看板。右上:運転体験が出来る運転台(モノ散歩「湘南モノレール500系運転台」)。 左下:湘南学園中学・高等学校の美術部員が描いた作品(モノ散歩「OCTOPUS〜先輩へのHOMAGE〜」)。 右下:ブルームーン・アーティストマーケット。
ベースが完成し、ここからがまたスタート。乗客のみなさま、地域のみなさまにとって、より便利で、より楽しい駅を目指して。
テナントエリアのオープンも控えています。次なる進化をご期待ください!
12月7日に行われた竣工式の様子。