2022年のNHK大河ドラマのタイトルは、ご承知のとおり『鎌倉殿の13人』(作・脚本:三谷幸喜。主演:小栗旬)である。
ストーリーのあらましは、鎌倉幕府第2代執権・北条義時を主人公に据え、鎌倉幕府草創期における御家人たちによる権力の座を巡る駆け引きを描くという。
同じく平安時代末期の源平合戦から承久の乱(1221年)あたりまでの時代を描いた、これまでの大河作品としては、1979年放映の『草燃える』(原作・永井路子 主演・石坂浩二)がある。
『草燃える』は、原作の永井路子さんの提案で、現代語調の脚本を採用したほか、伊東祐之(元は武士の、盲目の琵琶法師)という架空の人物の視点も取り入れるなどはしたものの、基本的には、史実を丁寧に描いたドラマという印象だった。
では、『鎌倉殿の13人』では、どのような「鎌倉時代」が描かれるのか。脚本を手がけるのが、日本を代表するヒットメーカーで、エンタメ系の作品を得意とする三谷幸喜さんだけに、非常に楽しみである。
さて、今回の連載「湘南モノレール発、『鎌倉殿の13人』を歩く」は、せっかく鎌倉が大河の舞台になるのだから、『鎌倉殿の13人』を特集するコラムを書いて、地元を盛り上げるお手伝いをしようではないか、という気持ちから執筆させていただくことになった。
筆者は以前、NHK学園の鎌倉散策講座の講師を務めたことなどもあり、鎌倉の史跡に関する一通りの知識は持ち合わせているつもりである。今回は、その知識を総動員して執筆に当たろうと思う。
なお、本連載は『鎌倉殿の13人』にちなんで、全13回で完結させる予定である。そもそも『鎌倉殿の13人』とは何かについて、当時の時代背景も含めて概説した上で、湘南モノレール沿線を起点に『鎌倉殿の13人』に関連する史跡を巡るモデルコースを紹介していくことにする。『鎌倉殿の13人』の「聖地」巡りを楽しむ皆さんのお役に立つようなコラムになれば幸いである。
◆ 連載タイトル
湘南モノレール沿線発、『鎌倉殿の13人』を歩く
◆ 連載期間・回数
11月22日(月)~連載開始。毎週月・水・金曜日に掲載(全13回)
◆ 執筆者
森川 天喜(もりかわ あき)
フリージャーナリスト。
現在、神奈川県観光協会理事、鎌倉ペンクラブ会員。旅行、鉄道、ホテル、都市開発など幅広いジャンルの取材記事を雑誌、オンライン問わず寄稿。テレビ・ラジオにも多数出演。過去にNHK学園、玉川高島屋カルチャーにて鎌倉散策講座の講師を担当。2020年1月には、初の小説作品『ホワイト・ライオン』(幻冬舎)を上梓し、各種メディアで取り上げられる。その後、コロナ禍の中「湘南モノレール全線開通50周年記念誌」の執筆・編集にも取り組んだ。