湘南モノレールが開業した50年前の風景と今の風景を比較して楽しむ「湘南モノレール沿線 今昔写真撮影隊」の旅。今回は、湘南町屋駅周辺の様子を見ていきます。
湘南町屋駅は、近隣にある三菱電機鎌倉製作所(当時の従業員数約2,000名)や、造成が進められていた梶原団地(約46万㎡)、大平山団地(約13万㎡)、丸山団地(約21万㎡)などのために設置されました。
次の写真を見ると、モノレール建設工事が進められていた当時、周辺はかなり寂しい場所だったのが分かります。
モノレール建設工事作業所入口付近
「町屋」バス停と旅館「町屋荘」
上の2枚の写真は、ほぼ同時期に撮影されたものと思われます。1枚目の写真の左端には、「湘南モノレール新設工事 鹿島建設 大船作業所 入口」と書かれた看板が写っています。2枚目の写真には、「町屋」のバス停とその奥に小さくて見づらいですが、旅館「町屋荘」の白い建物が写っています。
この「町屋荘」の場所は、現在、セブンイレブンの駐車場になっています。さらにその先では、モノレールの支柱が立ち始めているのも見えます。
次の写真は、「町屋荘」の近くで撮影されたもの。奥の支柱が立っている辺りに湘南町屋駅が建設されることになります。
旅館「町屋荘」と湘南町屋駅建設予定地
そして、次は湘南町屋駅前から大船側を振り返って撮影した写真。山の稜線の形は昔も今も変わりません。
湘南町屋駅付前から大船側を振り返って撮影(昔)
湘南町屋駅前から大船側を振り返って撮影(今)
三菱電機の工場などを背景に疾走するモノレール車両の写真もありました。今は家が増えたので、全く同じ構図での撮影は無理ですが、似たような写真を撮ることはできました。
三菱電機の工場などを背景に疾走するモノレール車両(昔)
三菱電機の工場などを背景に疾走するモノレール車両(今)
さて、開業当時の湘南町屋駅についても、見ていきましょう。以前はホームの端末部に階段がありました。
湘南町屋駅(昔)
湘南町屋駅(今)
駅構内も、ずい分と簡素な感じだったのが分かります。
湘南町屋駅構内(昔)
次の写真の撮影場所は、「町深1」(町深=町屋と深沢の間の意味)という支柱の番号で特定できます。ちょうど、現在の「老健かまくら」の前に立っている支柱です。電柱に「湘南ボウル」の広告看板が設置されていますね。湘南ボウルは、つい最近、建物の老朽化により営業を終了したばかり。
「町深1」の支柱付近(昔)
「町深1」の支柱付近(今)
ちなみに、現在、「老健かまくら」になっている場所には、昔は町屋池というため池があり、子どもたちの遊び場になっていたそうです。時の流れを感じますね。
町屋池(提供:鎌倉市中央図書館)