2015年5月、株式の大半をこれまで保有してきた三菱3社(三菱重工業、三菱電機、三菱商事)から、株式会社みちのりホールディングスに株式が譲渡され(※1)、湘南モノレールはみちのりグループの一員として、新たなスタートを切ることになった。
みちのりグループ(2021年5月現在)
新体制への移行後の最初の大きなイベントが、新型車両5000系の相次ぐ投入だった。2015年11月に5次車(湘南パープルライン)、2016年2月に6次車(湘南ブラックライン)、そして、同年5月に7次車(湘南ピンクライン)を投入し、これで全7編成の5000系への更新が完了した。
5000系導入履歴(5000系は編成ごとに色分けを実施した)
編成名(カラーリング) | 営業開始年月 | 備考 |
第1編成(湘南レッドライン) | 2004年6月 | |
第2編成(湘南ブルーライン) | 2007年12月 | |
第3編成(湘南グリーンライン) | 2009年10月 | |
第4編成(湘南イエローライン) | 2014年4月 | |
第5編成(湘南パープルライン) | 2015年11月 | 湘南モノレール初のフルラッピング車両「OJICO®トレイン」として運行 |
第6編成(湘南ブラックライン) | 2016年2月 | |
第7編成(湘南ピンクライン) | 2016年5月 | ピンクリボン号として運行 |
このうち、最後の7次車は、ピンクリボン(※2)のラッピングとヘッドマークを施し、「ピンクリボン号」としてデビューした。
ピンクリボン号
新体制になってからは、新たな動きが数多く見られるようになった。まず、2016年6月1日より、平日21時から23時の夜間帯と、休日(土日祝)の7時から9時、19時から21時の時間帯において、これまでの15分間隔から7.5分間隔とするダイヤ改正を実施した。このダイヤ改正は、1993年4月18日以来、じつに23年振りとなるものだった。
湘南江の島駅のリニューアルも大きなニュースである。半世紀前に最新鋭の駅として華々しくオープンした湘南江の島駅も、現代のバリアフリーの基準に照らせば、1階入口~5階ホームまでのうち、2階~4階にしかエスカレーターが設置されておらず、はなはだ不十分な状態になっていた。
リニューアルした湘南江の島駅
湘南江の島駅の耐震補強およびバリアフリー化工事を進めるにあたっては、費用や工法の面から様々な検討を行ったが、最終的には新たにエレベーター棟とエスカレーター棟を建設し、耐震工事を施した旧駅舎を含めた3つの建物をつなげて1つの駅舎とする案に決まった。改札はこれまでの4階からホーム階である5階に移設した。
駅のバリアフリー化対応と並んで、大きな課題となっていた交通系ICカードの未導入問題に関しても、2018年4月1日より、PASMO利用が開始された。
※1 みちのりホールディングスは、2009年3月、経営共創基盤(Industrial Growth Platform, Inc.:IGPI)の100%出資により設立された、交通・観光事業経営支援を目的とする会社であり、傘下の交通事業者を支援することで、長期的・持続的な事業価値の向上を目指している。
※2 「ピンクリボン」は、アメリカで始まった乳がんの早期発見・早期治療を促進する運動のシンボル。ピンクリボン号の導入は、沿線の湘南記念病院の乳がんセンター長、土井卓子(たかこ)先生が代表を務める「ピンクリボンかながわ」の、乳がん検査の受診率向上、乳がん撲滅の啓蒙活動を応援する趣旨によるものである。