1990年度は、開業後、初めて年間輸送人員が1千万人を超え、1991年4月26日に、これを祝う記念式典を実施するとともに、記念乗車券を発売した。(利用客数のピークは1993年度の年間11,345,583人)
年間1000万人突破記念感謝デー
この時期の大きな出来事として、大船駅の大改造があった。
かねてより計画されていた案件である東口駅前市街地再開発事業は、多数の権利者の利害調整が難航し、長い間、実施できない状態にあったが、湘南モノレールの大船駅を含む一部のエリアを優先して事業を進めることが、この時期にようやく決定した。(1988年2月に事業計画認可)
この事業実施にあたり、湘南モノレール大船駅の旧駅舎の一部が、新しく建設される再開発商業ビル(現・大船ルミネウィング)の計画用地に位置していたため、1989年11月から旧駅舎の全面改修工事に取り組み、駅舎をやや江の島寄りに移設するとともに、出改札・駅務室・電気室を旧ホームと平行して県道側に移転改造。1992年5月10日に新駅舎が完成し、9月18日に竣工式が執り行われた。
長らく湘南モノレールの主力車両となった500形車両
輸送面では、1991年7月までに、最新型500形車両、計18両(3両×6編成)の導入が完了した。
また、再開発商業ビルのオープンなどから乗客の動態変化が予想されたため、大幅なダイヤ改正を実施し、それまで15分間隔で運転していた平日の昼間ダイヤを平均10分間隔(1991年7月)、次いで7.5分間隔(1992年7月)に短縮・増便した。1993年4月には、長らく閉鎖されていた江の島の岩屋洞窟が再開され、観光客増加による休日の利用者増が期待されたことなどから、休日の運行本数を大幅に増便した。
2000年代に入る直前の1996年には鎌倉市の人口が17万人を切り、少子高齢化による沿線人口の減少が現実のものとなる中、湘南モノレールの強みである定期客収入が頭打ち・減少傾向となった。
また、2008年秋にはリーマンショックによる経済環境の悪化を経験し、そこからの緩やかな回復傾向も見えていた矢先の2011年3月11日14時46分に、東日本大震災が発生した。湘南モノレールは、幸いにも人的被害および施設への被害はほとんどなく、震災発生から5時間43分後の、20時30分には運転再開することができた。しかし、その後、同年9月12日までの半年間は、電力供給状況見合いで特別ダイヤでの運行を余儀なくされた。
2004年6月にデビューした5000系車両
この時期に実施した大きな施策の1つが、最新鋭車両5000系の導入である。5000系は懸垂型モノレールとしては初となる、駆動方式にVVVFインバータ方式(可変電圧可変周波数方式)を採用した。消費電力に関しては、500形と5000系では、20パーセントほど削減されている。鉄道事業者の消費電力量は大きいので、この20パーセントという数値は、非常に大きな変化である。