ここから先、西鎌倉駅-湘南江の島駅までの全区間が開通したのは、大船駅-西鎌倉駅間が部分開業した翌年、1971年7月2日である。
西鎌倉駅から先も急こう配と曲線が続く道を進み、片瀬山駅の少し先で、路線中最高の海抜65mの峠を越えると、今度は目白山下駅に向かって坂を下っていく。
目白山下駅付近。京急道路の料金所があった
片瀬山駅から目白山下駅の北側の、現在は瀟洒(しょうしゃ)な住宅地になっている一帯は、かつては「狢(むじな)ヶ谷」「赤山」などの地名が見られた。地名からするとかなり山深い場所のように思われるが、湘南モノレールが開通する少し前まで広大なゴルフコースがあった。
江之島ゴルフコースと江之島ホテル(提供:藤沢市文書館)
この江之島ゴルフコースは「兜町の風雲児」と呼ばれた相場師・佐藤和三郎氏が1955年頃に造成したもので、ホテルも併設されていた。ホテルがあった場所は、現在の湘南白百合学園中・高校の敷地の少し北側である。
なお、1965年の付近の詳細地図を見ると「江の島観光ゴルフ場所有地」(地図表記のママ)と表記されているが、1968年の地図で同じ場所を確認すると「片瀬山ニュータウン」と表記されており、この頃にゴルフ場は営業を止め、宅地造成が始まったようである。