湘南モノレール江の島線の建設には、多くの企業が携わった。関与、協力した企業の一覧は下表の通りである。
湘南モノレール建設に関与、協力した主な企業
会社名 | 役割 |
三菱重工業 | 軌道桁・支柱・ポイントの製作、車両の製作、点検車の製作 |
三菱電機 | 車両用電機品(モーター等)の製作、変電所の施工 |
三菱商事 | 鋼材類等の三菱重工業への納入 |
新日本製鐵 | 軌道桁・支柱用鋼材の製作 |
日本鋼管 | 支柱の製作 |
日本エアウェイ開発 | サフェージュ式懸垂型モノレール全般の技術指導 |
三菱地所 | 建設工事の設計監理 |
鹿島建設、戸田建設、大成建設 | 建設工事全般 |
京三製作所 | ATS(自動列車停止装置)の製作 |
日本信号 | CTC(列車集中制御装置)、信号装置の製作 |
東京電機 | 各駅電気設備工事 |
東洋電機 | パンタグラフの製作 |
いすず自動車 | 救援車の製作 |
横浜ゴム | 車両用ゴムタイヤの製造 |
東急コンクリート | コンクリート供給 |
三菱セメント | 東急コンクリートへのセメント供給 |
湘南江の島駅に停車中の300形(全通当時)
建設費用は、最終的には60億~65億円(1kmあたり約10億円)に上った。当初は、約35億円(1kmあたり約5億円)と見積もられていたが、前述した通り、会社設立後、三菱グループ内で大石寺モノレール建設計画の検討が進められたことや、資金調達・金融問題についての議論が紛糾したことなどから工事が遅れ、そのため高度経済成長期の地価・物価高騰の影響をもろに受けることになった。
また、用地問題の解決にかなりの費用を投じ、さらに、時間がかかったことによって建設会社への延滞工事費支払い額が増大するなどした結果、予定額の2倍近い建設費を要することになったのである。
この1kmあたり約10億円という建設費は、都営地下鉄浅草線の1kmあたり45.3億円や東京モノレールの1kmあたり16億円と比較すれば割安ではあるものの、その後の会社経営に重くのしかかることになった。
建設費概算(単位:百万円)
軌道費 | 3,463 |
車両 | 420 |
電力設備 | 256 |
通信信号 | 169 |
車庫(修理機器含) | 89 |
駅 | 390 |
測量監督 | 100 |
扱料 | 176 |
経費(全線開通時まで) | 200 |
用地費および支障物撤去費 | 759 |
計 | 6,022 |