湘南モノレールの車庫は、湘南深沢駅から約200m江の島寄りから分岐した車庫線の先にある。この深沢車庫が完成したのは、1970年1月15日で、1階に総合事務所、中央電気室、運転指令室などを納め、2階は車体の点検場、3階は車両の屋上機器の点検修理場、4階は台車の点検修理場とした。
この車庫用地は、農家15人が所有する約3,800坪の農地を1億3000万円で入手した。付近に国鉄、神戸製鋼、武田薬品などの工場が点在する一方で、「下耕地」という車庫用地の地名(当時)が示す通り、丘陵に囲まれた農村の趣が未だに残っているような場所だった。
建設中の深沢車庫
建設中の深沢車庫と、奥に見えるのは国鉄大船工場
深沢車庫の敷地内に建てられた建設作業事務所のバラック
変電所は、深沢から鎌倉山を登坂し、鎌倉山トンネルの入口手前で、モノレールが京急道路と分岐する付近に設置した。この場所の上空に東京電力の66,000Vの高圧線が通っており、電気を取るのに最適な場所だった。ここから全線にDC(直流)1,500Vをき電(電車線へ電力供給)しており、指令室から遠隔制御できるようになっている。
変電所が完成し、通電を開始したのは1969年10月で、それまでの試運転中の電力供給は国鉄大船工場から受け、そのために深沢駅付近にき電室を設けた。