第2期線工事区間には、横須賀線および国鉄大船工場引込み線横断部分が含まれるが、横須賀線の横断部分は、京急道路の上空を行くと高さが非常に高くなるので、京急道路と平行して、道路上を走る自動車とモノレールがほぼ同じレベル(高さ)で通過するように交差させたが、それでも支柱の高さは約15mにも達した。この部分の支柱建植・軌道桁架設工事は国鉄発注工事として施工することになり、実際の工事作業は鹿島建設および日本通運が請け負った。
横須賀線横断工事は1969年4月22日の深夜から早朝にかけて、横須賀線の終電から始発までの3時間で終えなければならない難工事だった。全長33m、重量25トンの軌道桁をウィンチとコロを用いて対岸に向かって送り出す、いわゆる手延べ式架橋工事が行われ、本路線工事中の大きな山場になった。この工事の様子もビデオに残されている。
【ビデオ音声】
それは道路の上を通り、住宅街の空を横切り、鉄道を跨ぐ。
昭和44年4月22日。この日の深夜から翌朝にかけて行われた、横須賀線を超える軌道桁架設は、この工事全体の大きな山場になった。
住宅街や鉄道を越える桁の架設は、ウィンチとコロによる手延べ式が使われた。
全長33m、重量約25トン。この桁の架設作業を終電から始発までのわずか3時間足らずで全てやり終えなければならない。
緊張した時間が流れる。
架設作業は予定通り無事に終わった。
ちなみに、横須賀線と立体交差させることに関して、当時の国鉄の石田総裁が、「万一、国鉄線上にモノレール車体が墜落するようなことがあっては困る」と難色を示したといい、この懸念に対して、湘南モノレール側はサフェージュ式モノレール車両の二重安全装置(※)について説明し、車両転落の危険は絶対にないと伝え、納得してもらった経緯がある。
ただし、何らかの故障のために国鉄線上で立往生した場合の乗客脱出用として、高架通路橋の設備を取り付けることになった。この設備は今もあり、モノレールの支柱に小さなホームが取り付けられていて、平行する跨線橋上に脱出できるようになっている。
非常時脱出用のホーム
※ 万一、懸垂リンク(懸垂腕)が破損したときの安全のため、安全鋼索が設けられている。