道路に面した仁王門をくぐる際、天井を見上げてほしい。そこには龍の絵が描かれている。少しアニメっぽい龍ではあるけれども、龍口寺というだけあって、このようにそこらじゅうに龍がいるのが龍口寺の特徴である。
山門を過ぎて右手にある手水。その水の出口が龍になっているのは、多くのお寺でよく見かける光景だ。さらに鐘楼の鐘に龍が浮かび出ているのを見つけたが、これも珍しくはないのかもしれない。
だが、そのほかにも、山門に戻って仰ぎ見れば、翼のある飛龍の彫刻があって素敵だ。どこか幼さを感じさせる飛龍は、かなりのかわいさ。龍に限らず、この山門の装飾彫刻はどれも巧みである。
そしてさらに私が面白いと思ったのは、本堂前の柱に提灯を掲げるための傘があるのだが、その下に突き出した留め材までもが龍の姿だったことだ。ここに精緻な龍が彫られているのは珍しい。しかも提灯が掲げられていない今は、ただただ柱から突き出している龍でしかなく、そこだけ見ると何だかわからないけれどもかっこいいのだった。
また仏舎利塔への階段の終わりに七面堂があるが、その前にも龍の石彫が置かれていて、これが龍らしからぬ胴の短さと丸っこさが小動物のようでかわいい。
そして極めつけは本堂内天井に描かれた迫真の龍だ。3体あるが一番左がいい。赤く染まった天井から参拝者に睨みを利かせている。
ざっと見つけたのはこのぐらいだが、きっと他にも小さな龍があちこちに隠れているだろう。
龍口寺で龍を探す。
言葉にするとベタだけど、やってみると楽しいのでおすすめである。