■ナイス、モノレール
最大の高低差を登り切った後はいよいよモノレールに乗っての描画である。腰から背中を描きつつ向かうは片瀬山駅。
尻尾を登り切って、丘陵の住宅街。その向こうに姿を現したモノレールの高架の雄姿。こうして苦労して登ってきたあとに見ると、よけい神々しく見える。
少し行くと、さっきまで高いところを走っていたのに、あっというまに地面のレベルに降りてくる。ジェットコースターのようだ。あらためて、地形の困難さに対抗できるモノレールの底力に感じ入った。ふつうのレールと車輪じゃここは走れない。
そして到着した片瀬山駅。ここから隣の駅西鎌倉までモノレールに乗ってヤギの首を描く。
上の動画は、記録したGPSのデータをもとに軌跡を追いかけるようにして見たもの。尻尾を登る手前から始まり、ゴールまでを早送りした動画だ。残念ながら地形の急峻さは表現されていないが、モノレールの速さと滑らかさがよく分かる。
(c)OpenStreetMapへの協力者
今回の「鎌倉ヤギ」の描写では、首のカーブが一番すてきだ。細かい道を歩くことによって描かれるジグザグした線も、ヤギの毛並みを表現している感じがして良いが、この曲線がヤギに息吹を吹き込んでいる気がする。ナイス、モノレール。
■ようやくゴール!
出発時に降りた西鎌倉駅に再び到着。ゴール間近だ。あと一息。
一同に疲労の色が濃い。だが、ご覧の通り、最後の最後でまたもや登り坂。
モノレールが眼下に見えるほど登った。最後の最後でこれはつらい。
そしてスタートの場所のすぐそば、ただし崖の上にあたる場所、そこにある小さな公園がゴール。3時間30分歩いて到着です!
鎌倉ヤギ完成の記念の記念撮影。この20人がこの絵の「作者」です。
ちなみにこの公園の名前は「パンダ公園」で、その名の通り遊具のパンダがいた。ヤギだったら完璧だったのだが。
■ぼくらは生まれてから死ぬまで「モノレール」で移動している
以上が「鎌倉ヤギ」をみんなで描いた顛末だ。
あらためて完成した絵とログ動画をご覧ください。
後半の登りはたいへんだったけど、たいへん楽しかった。またやりたい。→ここにマップがあるので、描いてみたい方は、ぜひ。GPSログをとるアプリもいくつかあるので、スマホがあればだれでも描けます。
「GPS地上絵は一筆描きだ」と言った。当然のことながら、ぼくらの移動そのものが「一筆描き」だ。違う場所に同時に立つことはできないし、瞬間移動もできない。生まれてから死ぬまで、人は途切れない一本道のログを残していく。
それって何かに似ている、と思って見上げて気がついた。そうだ「モノ」レールだ!ぼくらは生まれてから死ぬまでモノレールで移動しているのだ。