参拝料300円(高校生以上)を支払い、階段を登っていくと、頂上に観音さまのお顔が見えてきます。巨人にじわじわと近づいていくような、不思議な気分になります。
階段を登りきると観音さまの目の前に出ます。高さは25m、幅は19m、奥行きは13mとのことです。駅から遠目で眺めているときよりも、さらに大きく感じられます。
昭和4年、人々の心の安定と国家の隆昌のために建設が始まった大船観音像。戦争による中断を経て、昭和35年4月に、世界平和を願う存在として完成しました。温容ゆたかな表情が特徴的です。
そういえば、観音さまは中に入ることができたような......。裏へ回ってみると、胎内への入り口がありました。
胎内へ踏み入ってみてビックリ! とっても明るくて綺麗。むかし訪れたときは、洞窟のようで、真っ暗だった記憶があります。看板によると、平成14年に改装されたようです。私が立ち入ったのはそれ以前だったということですね......。
観音さまの胎内は、5月末にも関わらずひんやりとしていて、山登りで汗ばんだ身体が一気に冷やされていくのを感じました。設置してあった椅子に座って、休憩がてらしばらくぼんやりしました。外界から完全にシャットアウトされた空間は心が鎮まります。
平和を願う木彫りの千体仏が置かれていました。解説によるといまだに増え続けているそう。近づいて観察してみると、同じ顔のものはひとつもありません。
隣には鮮やかな色あいの千羽鶴。
上を向くと、私が子供のころに見た、暗かった胎内の雰囲気がわずかに残っているような気がしました。
外界の空気に触れると、さきほどよりも心が穏やかになっているのを感じました。参拝の効果でしょうか。世界の平和は、個人の心の平和から、ですね。
観音さまのスタンプがあったので記念に押してみました。おしゃれなイラスト風で、意外でした。スタンプの持ち手が卵の黄身みたい。
大船の街を見下ろしながら、下山します。一生懸命階段をのぼる親子がいました。がんばれ〜。
つづく