そろそろ暗くなってきたのだが、ゴールまであと少し。
少し歩くと橋の上に「白山橋」のバス停がある。
このバス停から右斜めに入る狭い道が旧道。
当然旧道にはいる。
道なりに進むと、またバス通りに合流し、次の道をまた右折して旧道にはいる。
バス通りはまっすぐ腰越駅の方へ向かうが、江の島道はここから西へ、龍口寺へ向かうのだ。
旧道を歩いて行くと、神戸川にかかる堀ノ内橋の手前に小さな石祠発見。詳細は不明だが、これが古い道という証ではある。
この旧道は少し上って丁字路にぶつかるのでそこを左折。
道なりに進むと古い石塔が集められている場所がある。
道路近くに5つの石塔(うち、2つは倒れていた)、そのはす向かいに5つの石塔がある。
庚申塔、道祖神、堅牢大地神などだ。
ここ、十一面観音を祀った観音堂があった場所だという。
そのまま道なりに歩く。左手は低地で少しいくと海。右手は斜面でその上が片瀬山だ。
やがて右手に龍口寺が現れる。
もうすっかり暗くなってしまったので、龍口寺の写真は2016年に撮影したものを。
龍口には鎌倉幕府の刑場があり、1271年に日蓮がここの刑場で処刑されようとした。その法難跡に立てられた日蓮宗の寺院が龍口寺だ。
横には6世紀創建という非常に古い龍口明神社(の旧地だが、鳥居や社殿はそのまま残っている)がある。
龍口寺の裏手が湘南モノレールの終点、湘南江の島駅だ。
ここまでくればもう江の島までちょっと歩くだけ。
湘南江の島駅の傍らには、藤沢宿から江の島へ向かう江の島道の道標が残っている。左龍口道、右江島道、と彫られた道標だ。
ということでここをゴールとしよう。
最後に、湘南モノレールの湘南江の島駅から見た、江の島への参詣道をどうぞ。高い建物が多くて肝心の江の島が見えないのが残念だけど。
そんな感じで、大船や北鎌倉から江の島へ向かう江の島道を可能な限り辿ってみた。この道は東海道の戸塚宿から江の島への道でもあったようだ。
残っていた古道、失われた古道、沿道のちょっとした歴史の痕跡、古戦場、神社に残された建武の五輪塔、(通れなかったけど)鎌倉らしい切通しなど、めちゃ堪能。
そして便利なことに、湘南モノレールとつかず離れずなのである。今回のルートを全部歩いて江の島へ行くのは酔狂だけど、古道筋とモノレールを組み合わせて、隠れた史跡をたどるも一興。
まあなんというか、歴史ある街は著名な史跡がなくても古い道筋度を辿るだけで発見がいっぱいあって面白いよ、という結論かな。古道はちょっと高台を抜けることが多いので(雨が降ってなければ)眺めもいいしね。