湘南モノレールの橋脚は大きく、太い。
なので、真下にあるものたちはどうしてもその影響を受け、ふだんとは違う姿を見せる。そのようすが面白い。
たとえばここ。
ガードレールがちぎれている
ガードレールの連結が途切れ、その間から橋脚が飛び出ている。
ガードレールの仕事は、車道の外にある危険から車を守ることだ。なのに、手が離れた部分では車を守ることができない。内心は無念だろう。
本来の仕事の例
別の場所に、本来の仕事をしている仲間がいた。まるで橋脚を守っているガードマンのようにも見えるが、本当は逆で、車を守っている。
べつの場所で、橋脚にじゃまをされたカーブミラーを見かけた。それを紹介する前に、まずはふつうのを見てもらったほうが分かりやすい。
通常のカーブミラー
一本の柱に二つの鏡で左右を映すカーブミラー。よくあるでしょう。ここに橋脚が入ると、こうなる。
離れてそっぽを向く二人
急に仲が悪くなったかのように、離れた場所でそっぽを向いてしまった。たぶん橋脚は太すぎて、鏡を結えつけるのが大変なんだろう。
こんなふうに、橋脚はふだん仲のいい二人の間に割って入ったりする。いけずである。
側溝が曲がりくねる
駅の下では、側溝が橋脚をよけるように曲がりくねっているところがあった。あおりを受けて、車道の白線も一部消えている。
駅の真下ということで脚を両側に二本下ろす必要があり、どうしても側溝と干渉してしまったんだろう。他にはこういう場所はほとんどなかった。
ボルトが黄色い
頭の高さにあるところだけ、ボルトに色が塗ってある。ぶつからないように、ということだろう。
一つ上の写真のように、柱の根元を黄色と黒の虎縞にばっちり塗っているところも多いんだけど、こういう細かい安全喚起もまたいい。
ここ通れるの?という歩道
歩道がすっかり塞がれているような場所もあった。これはさすがに通れないでしょう、と思いながら近づいてみると、こうなっていた。
ぎりぎり
これは、ぎりぎりだ。
通れるといえば、通れる。根元の、ちょっと太っているところを踏んでいけばいい。でもたとえば自転車は一度降りる必要があるだろう。
こことは逆に、橋脚によって安息の地が生まれている例もあった。
このスペース
なんかちょっと広くなってる。
ここはさすがに、画面左側に空間がないと人が通れないぞとなったんだろう。
ちょっとした隠れ家みたい
中に入ってみると、ちょっとした部屋みたいだ。学校の帰り道に、ここで友達とゲーム機で遊んだりしてもいいな、と思ってしまった。
まあ、真後ろは民家なのでやめたほうがいいだろうけど。
橋脚が載ってる?
西鎌倉駅のホームから、めずらしい光景が見える(宮田珠己さんに教えてもらった)。奥の橋脚が、スーパーの屋根の上に載っているようにみえる。
降りてスーパーの中に入ってみると、橋脚は実際には店舗を貫いている。鏡を貼ってあったりして、柱の一つですよ、という顔をしていた。
そうか、橋脚も、建物の柱も同じだなと思った。柱も、ないほうがいい。でも、あればあったでポスターを貼ったりして利用する。橋脚を受け入れつつ、受け流しつつ、したたかに共存する感じがいいなと思った。