大船から湘南モノレールの下を歩いていたところ、頭上に「高さ4.5m」と書かれたワイヤーに出会った。
道路の真上にワイヤーが張ってある
急に現れたのでちょっとびっくりした。でもまあ、気持ちは分かる。
右側の橋脚に「高さ制限4.5m」とあるように、そもそも高さの警告はしている。でもそれにとどまらず、物理的にワイヤーを設置してでも進入を制限しようというのだろう。
ワイヤーは、他の場所にもあった。
ここにも
ここにも
そんなに多くはない。全部で数カ所くらいのようだ。
ふつうの道にはワイヤーはない
当然ながらふつうの道にはなにもない。すると、いったいどんな場所にワイヤーが張ってあるのかということが気になった。
あれこれ考えてみたが、分かりやすいのはここだろうか。
さっきのワイヤーを再掲
左からくる脇道が、右のモノレールの道に合流する地点だ。ここからは背の高い車は通れませんよ、といっている門番のようにみえる。
つまり、よその道からモノレールの道に合流する入口に設置する、ということなんじゃなかろうか。
ごつい高さ制限もある
ちょっと見にくいけど、ここにも赤く「制限高4.5M」とある。さっきのワイヤーとちがって、鋼の管だ。がっしり具合が違う。
ここにはどうやらJRの高圧電線が通っているようだ。だから丈夫な管で作っているんだろう。高さはほんとはもっと上げたいところだけど、上にはモノレールがあるので、4.5mに抑えているんだろう。
設置する目的は本当はちがうんだけど、奇しくもモノレールのための門番になっているのがおもしろい。
駅の床に注目
高さを制限するものという視点で歩いていたら、駅まで来ておやと思った。
駅の電車の下には、転落防止のために床がある。この床、さっきのワイヤー以上に、実質的な高さ制限になってはいないだろうか。
そう考えると、けっこういろいろなものが実質的な高さ制限になっていることに気づいた。
これは電線かな
信号の柱につながってる水平の線。電線か信号線だろう。なるべく高いところを通したいけど4.5mを超えるわけにはいかず、結果的に4.5mそのものを示す高さ制限になっている。おもしろい。
この旗もそうでは
さっきから高さ制限を気にしながら歩いてたので、この旗を見たときもぜったいそうだろうと思った。
工事現場で、機械がこの高さを超えないようにという目印にちがいない。右端にいるおじさんに聞いたところ、
「ダンプカーが荷台を上げるでしょ? そのときに高さがこれ以上にならないようにっていうことだよ」
と教えてもらった。よしよし、正解だ。
たしかに旗の上だ
しばらく待つと、旗の真上をモノレール車両が通過していった。
上空4.5mのところには、まるで見えない壁があるかのようだ。国境みたいに、ほんとうは決まりごとでしかない。でも、いろいろな事情で実際にそこに壁が生まれる。そういうところが面白い。