地域に愛される「愛され大仏」共通の特徴に、地元商店街でその大仏さまをモデルにしたお菓子が作られている、というのがあります。大船仲通商店街にある「龍月」という老舗和菓子店には大船観音をかたどった観音最中が販売されていて、大船観音の愛されっぷりがうかがえます。
しかもこれが忠実に大船観音を再現しながら可愛らしさも兼ね備え、かつ味も美味しいという三拍子そろった逸品。お店は1 色ですが、大船観音寺ではピンクと白を加えた3 色が販売されていて、私の場合それをゲットすることが、坂道を上っても観音寺に行きたい理由のひとつになっています。
愛され大仏の特徴にもうひとつ、イベントが多いというのも挙げられます。大船観音は年間を通してライトアップやイベントが多く、私はつい先日も今年で20 回目となる「ゆめ観音アジアフェスティバル」に行ってきました。
境内にはラオス・スリランカ料理、タイ・ミャンマー工芸品などの露天が並び、観音さまの台座部分をステージとして、アジア各国のダンスパフォーマンスが行われていました。
巨大な観音さまの前で人々が踊る様は、その大きさの対比のせいか、シュールにもうつり、最初はちょっと違和感も感じたのです。ですが、仏教の開祖であるお釈迦様はインドの王子様として産まれたため、観音さまが装飾品を着けているのは、お釈迦様が出家する前の姿を模しているからと言われます。ですから、インドを含めアジアのきらびやかな民族衣装を身にまとった人々は、不思議とこの空間に馴染んで見えてきます。大船観音でアジアフェスが20回もつづいているのには、そんな理由もあるかもしれません。
毎年6 月には「キャンドルナイト」という境内にキャンドルを灯し、平和を祈るイベントも行われています。今年6 月に行ったときには、地元の園児達がたくさん来ていて、厳かというよりは、子供たちが駆け回る賑やかなイベントでした。巨大仏に免疫を持つ素晴らしい大人になるだろうと、目を細めずにはいられません。
このキャンドルナイトでも、先ほどのアジアフェスでも、夕方から観音さまにも照明が灯ります。私は大仏さまのこのようなライトアップは、仏パワーの可視化と言えるのではないか、と秘かに思っています。いつでも常に仏さまはある種のパワーを放っているのだけれど、それは我々の目には見えない。それがライトアップされることで誰の目にも感じられる。そんな風に考えると面白いし、実際に行って見てみたくなりませんか。
大船観音では乳がん予防のピンクライトアップや、糖尿病予防のブルーライトアップなど、年間を通して何度もライトアップを行っています。ライトアップ時に湘南モノレールのあの車窓から大船観音を見付けて、仏パワーを感じる。まさにこれ、現時点で私が考える最高で最強の劇的瞬間かもしれません。
(最後までお付き合いありがとうございました)