乗り鉄、変わりゆく14分の車窓風景にノリノリ
「撮り鉄」や「乗り鉄」のほか、時刻表を読む「スジ鉄」、グッズ好きな「収集鉄」、音に特化した「音鉄」など鉄道ファンのジャンルはさまざま(だそう)。今回のゲスト「鉄道大好き芸人」太田トラベルさんは「乗り鉄」だそうです。時刻表片手に全国を旅してはいるものの、湘南モノレールは未体験。前回は大船駅から乗ってもらうと、いきなりの加速、空中を飛んでいるかのような感覚に驚いてもらえました。さて、「乗り鉄」ならではの醍醐味を感じてもらえるでしょうか。
実は湘南モノレールでは、途中から車掌さんが最後尾から車内を移動して来て先頭の運転席の隣に立つ区間があります。駅ではホームに降りて切符の回収をしたり、車内アナウンスをしたり。
今日は車掌さんもびっくりしたはず。なにしろまるで乗務員風の太田トラベルさんが運転席のすぐ後ろに立っているのですから。
車掌さんが車内側を向いてマイクを握ったら、太田さんと顔が合ってしまいました(その瞬間を撮れなかったのが残念!)
なぜかお互いお辞儀を(笑)。
「なんだか恥ずかしいですね」
太田さん、目が合わないように下を向いちゃいました。
そうこうするうちに終点の一つ手前の目白山下駅に到着。二つ目のトンネルを抜ければ終点の湘南江の島駅はもうすぐです。
「あれ、人がいますね。保線区の作業員さんでしょうか」
ほんとうだ、白い旗を手にしています。
よく見ると黄色いロープが張ってあります。
「たしかにレールがないので危険なエリアが分かりにくいですものね。だからロープなんだろうなぁ」
なるほど。普通の鉄道とは作業風景も異なるようですね。さあ、まもなく終点です。
「あっ、マークが新しくなったんですね」
車体の側面を見つめます。えっ、初めて乗ったのによく分かりましたねと感心していると...
「ほら、下地にうっすら丸いマークの跡が見えますよ」
普通の人は気づいていないはずですよ。
湘南モノレールは2018年4月にロゴを一新しています。モノレールの頭文字「M」にアップダウンする路線を重ねてデザイン。色は湘南の海と空のイメージだそうです。スマートなマークですが、半世紀近く使っていたのはどんなマークだったのか興味ありますね。
湘南江の島駅で次に太田さんが注目したのは時刻表でした。
「ほら、ここ。僕、こういうの好きなんですよ」
指差した先を見ると...
「このカッコ書き。終点まで行かないやつ、入庫するやつとか、時刻表にはこういうのがあるんですよ。それほど珍しいわけじゃないんですけど、ちょっとだけ違うこのカンジが好き(笑)」
自分が必要とする時間しか見ない駅の時刻表ですが、こんなところを見ている人もいるんですね。
「わぁ~、モニターですよ、モニター」
今度は改札の上に設置され、まだ「調整中」で黒い画面を発見。
「マークといい、一気に近代化ですね。どんな画像が映し出されるのか楽しみだー」
そう、湘南江の島駅はリニューアルオープンを目指して現在急ピッチで改装中。1階・5階を結ぶエレベーターはすでに稼働しています。
ということで、最近養生シートがとれたという外観を見に表へ出てみました。
「うわ~、近代的! こちらから乗っていくときもワクワクですねー」
ホームに戻るとグリーンラインの「しょもたん号」が入線していました。これに乗って大船方面に引き返しましょう。
当然、シートはこれ。
「カワイー、虹にぶら下がって」
「そうか、虹。7編成あるという車体のラインはそれぞれレインボーカラーになっていたんですね」
ちょうど空いていたので着席してもらいましたが、乗務員さんがポツンと座っているようなカンジ。
「ありえない画像じゃないですか(笑)」
というので、後ろからのショットも。たしかにありえない!
ありえないついでに、もう一枚。
くつろいでます。
「僕は『乗り鉄』なんです。実はこうやって車窓からの風景をただただ眺めているのが好きで、一眼カメラを持っていかないこともあるんですよ。特に海の景色が延々と続く青森県の五能線が印象的で、あれはよかったですねぇ」
という太田さんの目に、湘南モノレールはどう映ったんでしょう?
行きの感想を聞いてみました。
「大船の都会的な街の風景から住宅街に。工場があったり、遠くの山が見渡せたり、緑に包まれたり、ハイカラで大きな住宅が多くなったり、そのうち海が見えて来たりと、ゆるやかに景色が変わっていきました。すごく短い時間なのに変化をたっぷり楽しめる、乗り鉄的にもうれしい路線ですよ!」
「さっき車掌さんが通っていったけど...」
と連結部分も気になっているようで移動します。ギシギシと曲がる蛇腹、足下の鉄板のズレにびっくりする太田さん。
「なんだこれ、普通の鉄道では考えられませんね。湘南モノレール恐るべし」
撮り鉄ではないと言っていましたが、「こういうのは撮っておきたいんですよ」としっかりスマホにおさめていました。
さあ、次回は太田さんのリクエストで西鎌倉駅で下車してみますよ。