仲見世通りのハルミ食堂さん脇に小道があり、そこを入って行くと、わたしのお気に入りの場所にたどり着きます。
ずっと「秘密の海岸」と呼んでいたのですが、調べたところ「西浦漁港」なる、きちんとした名前があると判明しました......。
ささやかな堤防があるだけの小さな漁港なのですが、江の島らしからぬひっそり感があり、わたしは昔からここを隠れ家のようだと思っています。
一人で来たときは、堤防の上から向こう岸の景色をぼんやり眺めるのが好きです。
世間の喧騒から離れて、波の音を聞きながら心を空っぽにする時間って、大切ですよね。ここは、そんなことができるとっておきの場所です。
いつまでもここに座っていたいと思ってしまいます。
先客のカップル。
あのときも彼をここに連れてきました。それ以降、大切な人と江の島を訪れたときは、必ずその人を秘密の海岸に連れて来る、という習慣ができました。
ときどきトンビがやってきて、頭上を「ピーヒョロロロ」と鳴きながら旋回します。浮いている、という表現が正しいような静かな飛び方。なんとも江の島らしい光景です。
つづく