こんにちは。写真家の大村祐里子です。
突然ですが、いまから遡ること20年前。中学3年生だったわたしは、その年の夏、生まれて初めてできた彼氏という存在と、生まれて初めてデートをしていました。場所は、江の島。
実は、湘南モノレールさんからこの連載のお話をいただいたとき、最初に脳裏に浮かんだネタは「江の島で昔の記憶を辿る散歩をする」というものでした。
初めてのデートは20年前の8月下旬。たしか、日曜日でした。当時のカレンダーを調べてみたところ、8月23日が日曜日だと判明。おそらくこの日であろうと思いました。
ということで、せっかくなので、ちょうど20年後の2018年8月23日に、江の島へ行ってみることにしました。時間が経ったいま、自分がそこへ行って何を思うのか知りたいなと。
今回使用したカメラはLeica R7、レンズはSUMMICRON-R 50mm F2です。フィルムは全てKodak PORTRA400。いま、一番気に入っている組み合わせです。
この日は台風が接近しており、午後から天気が崩れるという予報だったので、早めの時間に、大船駅から湘南モノレールに乗り込みました。
あのときも、湘南モノレールに乗って、大船駅から湘南江の島駅に向かった記憶があります。
早い時間だったので、ホームは通勤のお客様で大混雑。うん十年湘南モノレールに乗ってきましたが、朝のラッシュに遭遇したのは初めてだったので驚きでした。車内はぎゅうぎゅう。写真を撮るなんて無理!
と思ったら、二駅目の「湘南町屋駅」でほとんどの人が降りて行き、途端にスッキリしました。
小さいころから、よく晴れた日に、車内に差し込む光が好きです。心が洗われるような気分になります。
湘南江の島駅で下車。ホームのある5階から、階段で1階まで一気に降ります。
駅を出ると、盛夏を感じさせるお店が、道の両脇に軒を連ねています。かわいい水着、浮き輪、ビーチサンダル......。一歩一歩、海に近づいていく感じがします。
江の島弁天橋を渡り、いよいよ江の島へ。朝早くにも関わらず、江の島弁天仲見世通りは大賑わい。風が吹くたび、お土産屋さんの軒下に吊るしてある貝細工が涼しげな音を立てます。
つづく