宮田 佐藤さん、ありがとうございました。では続いて八馬さん、よろしくお願いします。
※八馬さんの記事はこちらをご覧ください。
「土木構造物としての湘南モノレール」
http://www.shonan-monorail.co.jp/sora_de_bra-n/hachima/
八馬 フォーヴィンケルの駅から行ったんですけど、この駅前が何もないという。
西村 何もなかった。
八馬 びっくりしましたよね。
西村 びっくりしました。
【八馬撮影】
八馬 で、Sバーンの薄暗いトンネルをいくつか歩いていくと、向こう側に見えてくる。
【八馬撮影】
西村 ここ、ドラマチックですよね。
八馬 ここ感激します。
宮田 あ、今のフォーヴィンケルの駅っていうのはモノレールの駅じゃないんですね。
八馬 デュッセルドルフに泊まっていたので、そこから電車で来て、この駅で降りて、で、テクテクここを歩いていくんですけど、ちょっと心細くなる。
佐藤 まあ裏口みたいなもんですね。普通は中央駅から行くんだけど、マニア向け(笑)
西村 端から端まで乗ろうと思ったんで、僕もそこから乗りました。
佐藤 まんなかから行くの嫌だから(笑)。
八馬 そうそう。なんとなく(笑)
【八馬撮影】
尾渡 これ、面白いですね。
八馬 これ、わかりやすいっちゃわかりやすいですけど、ほんとにこんなことあったのかって......、ていうか、あったからやってるんでしょうけど。
尾渡 湘南モノレールでも2回あったんですよね。去年の11月と、30年程前にも1回。そのときはクレーン車が倒れてきた。
西村 それは湘南モノレールが被害者ってことですよね。
尾渡 はい。30年程前は、去年の11月より危なかったみたいですね。もうちょっとずれてたら、もしかしたら運転手がっていう。去年の11月1日は、アームがボンて当たったところで、ダダダダとボディを擦っていったので、端っこがつぶれただけで済んだんですけど、前は中に入っちゃったみたいで。
一同 んー。
八馬 まあ事故は起こりうる話ですもんね。で、ヴッパータールですが、街なかは絵になる感じがありますよね。建物に近いのは、いいですよね。そういう意味では湘南モノレールもそうですけど、というか単線だから、湘南モノレールの勝ちですが(笑)
【八馬撮影】
尾渡 社長さんが、ここは建物に近くて、と言ってる横で私は異論ははさみませんでした。
一同 (笑)
宮田 片持ち(片側一本だけの橋脚)はないんですね。
八馬 片持ちは構造的には非合理的だし、100年前なんで、無理かと。この街のなかで成立するように造ったのがこの形ということでしょうね。
尾渡 ほんとに間隔が狭く、10mにひとつずつぐらいある感じで、数で対応しているみたいな感じでしたね。
八馬 下のところの衝突防止の形もかわいいですね。
【尾渡撮影】
八馬 これが、高速道路のところですね。一番手前の遮音壁、斜めになってるので、そこはたぶん防音する相手もいないから低くしてもいいだろうって、ぎりぎりまで下げたというか、通れるように下げたんでしょうね。
【八馬撮影】
角田 ほんとにぎりぎりですね。
八馬 ここでなかなかびっくりするわけですね。で、街に戻っていく。
八馬 このとき車内がぎゅうぎゅうだったんですよ。すごい混んでて。
西村 混んでるやつとそうでもないのとありましたね。
八馬 時間帯によるのか、わかんないけど。
尾渡 1日の乗降客が8万5000人だそうです。われわれが3万人です。8駅の6・6キロで1日3万人。ヴッパータールが20駅の13・3キロで8万5000人ということで、だいたい2倍から3倍の規模感でしょうか。彼らが31編成持ってて、われわれが7編成しかないんですが、彼らは古いものをしっかり修理しながら使ってるみたいな感じでしたね。
八馬 たしかに使い続けるというマインドはすごく感じますよね。それはここだけじゃなくて、ドイツはいろんなところでそういうマインドなんでしょうねきっと。
尾渡 この地域に過去移民として入ってきた人はイタリアからの人が多いみたいで、動物園のそばもそうですけど、街じゅうイタ飯屋さんがいっぱいでした。最近はまた新しい移民がたくさんいますんで、そういう人たちが駅のまわりにわーっといまして......。
八馬 そうですね。終点の駅の感じが危なっかしい感じがあって、ちょっと怖かったです。
西村 まわりがすごく殺風景な感じでしたね、終点の駅。フォーウィンケルの逆の駅。
八馬 あ、あとこれですよ、変な駅。
【八馬撮影】
尾渡 私はかっこいいなと思いましたけど。
八馬 ええ、かっこいいんですけど(笑)、なんといいますか、ダサかっこいいというか。
佐藤 いや、八馬さんは褒めてるんですよ。この人が、めちゃめちゃな、とか、ダサいとかいうときは、褒めてるんです(笑)。ダメだと思ったら、取り上げないから。
一同 (笑)
八馬 終点にもちょっと見どころがあって。ここに変な歩道橋があって、これは心から変だと思ってるんですけど。
【八馬撮影】
八馬 変なループでしょ。
尾渡 ドイツ国鉄を跨いでる。
八馬 そうです。で、どこにも落書きがある。
西村 落書きはどこにでもありますね。
【八馬撮影】
角田 どうやって描いてるんだろうっていつも思いますね。
八馬 そうそう。そこには行けないだろというところにもありますもんね。
西村 国鉄の車両にも......。
尾渡 あるある。
西村 もう描かれたまんま走ってますよね。
【八馬撮影】
八馬 これ不思議なのは、橋脚の根元がかなり水面に近いんですよね。橋の専門の人間から見ると、これ怖くてしょうがないんですよ。洪水が起きたらやられちゃうじゃんと。
西村 僕がいったときは増水してるような気がしたんですけど。
八馬 これ流木なんかがこのへんにあるわけですよね。流木が当たっちゃ絶対ダメなはずなんですよ。橋梁技術者の感覚として。なんだけど、水面とここってかなり近いから、すぐ来るんじゃないかなと思うんですよ。なので、こんな構造物成立するの?っていう不安しかない。
西村 一応水には浸かってない......。
尾渡 日本の集中豪雨じゃなくても、ふつうの夕立が来たら浸かりそうな。そんなにクリアランス取ってないですね。
八馬 水位の変化がないのかなあ。それと、駅舎も各所、川の上にあるから、駅舎自体も無理してるんですけどね。そこが面白いところでもあり。次回は駅舎を中心に見に行きたいと思ってます。って、もう次回って思ってる自分が怖い(笑)。行ってるときに思ってましたからね。次は駅舎だなみたいな(笑)。
【尾渡撮影】
角田 ガラス張りが基本なんですか、駅舎は。
尾渡 新しいのの半分ぐらいはガラスで、半分ぐらいは木目調みたいな。
【八馬撮影】
八馬 しかもだいたい斜めになってる感じでした。ガラスの建物は。
西村 好みですかね。
八馬 わかんないですけど、橋脚の斜めを踏襲しているのかもしませんね。
尾渡 20駅回ってると、もうどこの駅にいるのかわからなくなりました。
八馬 いちいち降りてると、途中で中だるみしますよね。自分が。疲れちゃうみたいな。でもここはさすがに降りましたね。この駅もなかなか斬新な駅で。
西村 これは中央駅?
尾渡 そうですね。
八馬 ここからタクシーに乗って、郊外のレゴの橋を見にいきました。
西村 レゴの橋、面白いですね。
八馬 で、また別の駅に戻ってきてまた乗って。という旅でした。
(まだまだ続きます)