大船観音ほどアクセスの良い巨大仏はありません。大仏さまというのは地域を見守るように高台につくられることが多く、辿り着くまでの道のりは困難を極めることもあります。大船観音も高台にあり坂道を上りますが、その道を含めても最寄り駅から徒歩10 分程度で着くという好立地。最寄り駅とはもちろん、湘南モノレールとJR が乗り入れる大船駅です。今回はそんなアクセスの良すぎる大船観音との劇的遭遇ポイント、観音ビューポイントを駅周辺で探します。
「HOKUO 大船店」に並ぶ「大船ごまあんぱん」もそのアクセスの良さを語っています。
パンに描かれているのは大船観音と電車。この絵は決して大げさではなく、駅と大船観音は本当にこのままの距離感です。JR 大船駅のホームから観音さまはこんな風に見えます。
人々は気付いていないかもしれませんが、実は常に観音さまに見守られているのだと、こういう風景を見ると私はひそかに思います。
大船駅西口を出ると道路と川をまたぐ形で、ペデストリアンデッキというスカイデッキが架かっています。これが大船観音をぐるっと囲むように作られていて、絶好の観音ビューポイントになっています。
デッキに出ると右手にチラリと見える観音さまのニッコリ笑顔。
進むにつれてその笑顔がこちらに振り返ってきます。(むろんこちらが進んでいるからですが)
そして突き当たりのバス乗り場からは正面の全体像が見られるという、大船観音ファンにとってはこの上ないつくり。
私はこのスカイデッキ以上に素晴らしい観音ビューポイントはないだろうと思っていました。
ですが、ここにきて新たなポイントを見付けたのです。それが湘南モノレールの車窓です。
湘南モノレール大船駅と大船観音との位置関係はこんな感じで、モノレールはここから鎌倉方面へと遠のいて行きます。ですから正直、モノレールから大船観音がどのくらい見えるのか、少し不安に思いながら乗り込みました。ですが不安は見事に裏切られます。懸垂式というレールにぶら下がった湘南モノレール特有の高さと車窓のつくりが、大船観音の見え方を他とは違ったものにしていました。
モノレールが進むのは三階建ての建物ぐらいの高さ。街の風景を少しだけ見下ろすようにフワフワと飛んで行く感覚です。幼い頃に行った遊園地にこんな乗り物があったかもしれないと、かすかな記憶がよみがえる懐かしい心地好さ。そんなことを思いながら乗っていると、大船駅と富士見町駅の間、横須賀線の線路を超えるあたりで真っすぐに大船観音が見えるのです。
これがまさに劇的遭遇!
窓枠のような遮るもののないモノレールの窓は、まるで映画のスクリーンのよう。そこに映し出される風景の中、真っ白な大船観音が見えて、すーっと消えていくのは実にドラマチックな瞬間です。
数秒間、時が止まりました。最近まで知らなかったことが本気で悔やまれました。特に用がなかったとしても、湘南モノレールに乗りたい。そしてまた劇的に大船観音と出会いたい。そう思える新たな場所を見付けました。超絶におすすめします。
(次は最大限接近します)