本物の車両でのアナウンス体験の後、見学会はいったん終了して解散となったのだが、まだオマケがあった。
旧型車両の運転席を残してある
本社を出たところに、車両の前半分だけを残したもの(カットモデル)が展示されているのだ。
2年前に引退した500型というタイプの車両だ。せっかくだから残そうという声が社内であがり、でもカットしないと置く場所がないということでこうなったそうだ。
中はこんなふう
「これはね、昔のツーハンドルの車両なんです。」
元運転士の早坂さんという方が教えてくれた。ツーハンドルとは、加速とブレーキを別のハンドルで操作するということ。いま手に持っているのはブレーキ弁ハンドルという部品だ。
がちゃっと差し込む
ブレーキには1から7まで目盛りがついていて、差した直後は7番になっている。一番ブレーキの圧力がかかっている状態だ。ここから右手を前に押し出して、一段ずつブレーキをゆるめる。
力が足りず両手を使ったりしながら、がちゃ、がちゃ、と懸命にブレーキを押し出す。「片手でね。そうそう!」と応援してくれるのがやさしい。
次は左手だ
次は、左手のマスコン(アクセル)を手前にひいて加速する。しばらくして時速70kmくらいになったら、マスコンを奥に戻し、加速をやめて惰行(だこう)する。
「駅が近づいてきたなーと思ったら電気ブレーキをかけます」
ブレーキは三回に分けて次第にきつくする。そしてホームの手前では二回に分けて緩めることで、スムーズに停車する。
「これを三段制動・二段緩めといいます。」
湘南モノレールではむかし京浜急行の運転手さんが運転していたんだそうだ。
「だから京急でいう三段制動二段緩めが基本制動なんです。」
お礼を言っていよいよ帰る。しかしオマケはまだあった。
車両のペーパークラフトだ
息子は帰るなり組み立てていた。
そして勉強机に吊っていた
息子の感想はどうだっただろうか。書いてもらった。
9歳の感想
車両基地の見学では、どの場所の見学も心に残りましたが、特に心に残ったのは、洗い場の見学です。
洗い場の見学と言うからには、洗車を見るだけかと思っていましたが、ドアの開け閉めやアナウンスの体験ができたので、うれしかったです。アナウンス体験では、現役の運転手の北条さん(と車掌の大谷さん※父注)に、うまいアナウンスのしかたを教えてもらいました。
なんと、句読点でしっかり区切って言えば、少しくらい読みまちがいがあっても大丈夫なんだそうです。いつかまた車両基地に行って車内放送をしたいなと思います。
車両の仕組みを知るのも楽しいけど、ふだん絶対にできないようなことを体験できるっていうのが、子どもにとってはやっぱり楽しいんだなと思った。楽しい見学会をありがとうございました。
※湘南モノレールからのお知らせ
湘南モノレール車両基地見学会に参加するには、以下のふたつの方法があります。ご参照ください。
1)鎌倉市のふるさと納税
湘南モノレール バリューセットB
2)はとバス バスツアー
湘南モノレール 車両基地見学&横浜港ランチクルーズ