湘南モノレールの車両基地は、湘南深沢駅からちょっと歩いた本社の建物の中にあった。
奥が車両基地と湘南モノレール本社
駅からボウリング場のほうに歩くとレールが二股に別れていて、その別れたほうのすぐ先だ。
湘南モノレールの社長さん
会議室のようなところで最初に社長の尾渡さんが挨拶をしてくれた。「湘南というとまだみんな江ノ電さんや小田急さんを思い浮かべるので、モノレールもPRを頑張っています」。赤裸々な挨拶に好感度があがる。
階段を上がって車両基地へ
ヘルメットをかぶり、二階へ。先頭で説明をしてくださる安田さんのすぐ後ろで、息子がスキップをするように階段を登っている。楽しみなんだろう。
車両基地を見る前に、まずふだんの湘南モノレールの姿を思い出してみる。
ふだんこうですね
それに対して、階段の先で見た光景はこうだった。
近すぎる
今いるのは車両の床の真下だ。品川-田町間のトンネルから見上げる電車よりなお近い。もしもこの高さをモノレールが通り過ぎていったとしたらすごい体験だろう。
ふつうの車両は、その下に台車や各種機械があってごちゃごちゃしている。こんなふうに床下がさっぱりしているのがモノレールの特徴なんだそうだ。そして台車は車両の上にある。普通の電車と上下が逆なんだな。
天井だけが見える
階段を登ると、こんどは天井だけが見える階だった。車両基地にはふつうの景色がない。お客さんが乗るための駅のつくりと全然違う。
「屋根上の側面のカバーを開けてみましょう」と安田さんがいう。カバー? なんのことだ?
せーの、で
ばん!
なるほど、そこ開くんだ! 「おー」「すげー」と、子どもと大人の歓声があがる。
車両を吊るす「懸垂リンク」など、あらわになった各種機器についての説明をふむふむと聞くが、最初のカバーを開ける実演の興奮が冷めない。息子はちゃんと話を聞いているかな。
神妙な顔
「安全鋼索」とかの難しい言葉もでてくるが、ちゃんと聞いている。
こりゃなんだ
さらに階段を上がると、そこにあったのはゴムタイヤだった。
なんで?と思ったが、そうか、ふだん桁の中に隠れてるタイヤがむき出しになって見えてるんだ。
暗くなってるところの中ですね
安田さんによると、タイヤがゴムだからこそ、モノレールは急な勾配を登れるらしい。最大勾配は湘南町屋と湘南深沢の間などの74パーミル。ふつうの電車の倍くらいだ。
鉄の車輪だと滑っちゃうところ、ゴムだから滑りにくい。おかげで、性能的には坂道発進もできるんだそうだ。実際にはやるシーンがないだろうけど。
ここは28.5パーミル
そういえば、モノレールの橋脚にこんなふうに勾配の数字が書いてあることがある。これが74になってる橋脚があるんだろう。
「パンタグラフを上げてみまーす」と安田さんがいう。
うぃーん、
がちゃん!
「おお〜」と歓声があがる。真ん中で二本並んでる金色のがパンタグラフか! 車輪のすぐ横にパンタグラフがあるなんてすごい光景だ。息子もきっと喜んでるだろう。
ほけー
意外とそうでもなかった!
次回、いよいよ楽しすぎた車内アナウンスです。