第4回 特別編 江の島の頂上で極上のランチタイム
鎌倉駅西口の路地裏にあるカフェ「クレインポート鎌倉」を切り盛りするご夫婦を、江の島の奥でやはりご夫婦でやっているカフェにお連れします。鎌倉駅から江ノ電で江ノ島駅までなら24分のところ、わざわざ大船駅を経由し湘南モノレールに乗って30分前後かけて湘南江の島駅へ。フリーパスで1往復半も楽しんだ後は、いよいよ「すばな通り」を通って江の島の頂上にあるカフェに向かいます。
モノレールの駅から南下、江ノ電の踏切を渡ってそのまま進みます。江の島への1本道、すばな通りの向こうには島影も見えてきました。
「おっ、これは!」
すっかりお気に入りになった湘南モノレールを二人もアピール!
「江の島、前に来たのはいつだったかなぁ」
「二人でだったっけ?」
「犬もいっしょだったでしょ」
「そう?」
二人にとっては久しぶりの江の島詣でだそうです。もちろんそのときは湘南モノレールに乗って来るなんて考えてもみなかったはずですね。
2020年を見据えて工事中の江の島弁天橋を渡って、いよいよ江の島上陸。参道を進みます。
階段を上がって振り返ると・・・
早い時間だというのに、もうかなりの人出にびっくり。
混雑を避けてここから右手に進みましょう。
対岸の鵠沼方面を右手に、シーキャンドルを左手に見上げながら坂道を上ってちょっと下ると江の島の奥への近道です。
そして今日、目指すカフェ「島舎(とうしゃ)」が見えてきました。
築90年余年という古民家を改装して2017年11月にオープンしたカフェ。東京住まいだった冨永誠さん・絵美さんが導かれるように江の島にやってきて開いたお店です。コンセプトは、だれにとっても懐かしい「田舎のおばあちゃんの家」。落ち着いた空間で、手作りの和定食とハンドドリップコーヒーが楽しめます。
近道とはいえ、頑張って坂を上がって来たご褒美にまずは乾杯!
誠さん「ここまで奥だと観光客も少ないんです。特に平日のお客さまはリピーターや地元の人が中心ですね」
チュンヒョンさん「ウチは駅から近いけど、やっぱりいっしょよ。観光客にとっては見つけづらい場所だから(笑)」
ロケーションは全く違うのにどこか似ていますね。
誠さん「本を読んだり、居眠りしたり長居する人も多いんですが、それを眺めているのも好きです」
耕三さん「ウチは狭い店ですけど、やっぱり平日は独り占めでゆっくりされるお客さまもいますよ」
お客さまの滞留時間が長めなのも似ています。
鎌倉の駅チカと江の島の奥。全く異なるお店なのに、話を聞いていると共通点が多いことに驚きます。観光客が多い日は「なんとなくおこぼれがくる感じ」でにぎわうのもいっしょですねと話が弾みました。
チュンヒョンさんが頼んだ「汁定食」は蟹汁。具だくさんで色も鮮やか。食欲をそそります。
耕三さんが頼んだのは「日替り定食」。今日は山椒と生のりの鶏唐揚げでボリュームも満点です。
ご飯はかまど炊き、おかずも全て一から手作りだそう。窓の外の緑と海が、おいしいランチをさらに引き立ててくれます。
「島舎」の調理は奥さんで、コーヒーとホール係は旦那さん。「クレインポート」の調理は奥さん、コーヒーとホール係は旦那さん。この役割分担もいっしょでした。
置かれた椅子やテーブル、家具は一つ一つがばらばらなのに、まったく違和感がなく落ち着けます。窓からの風が気持ちいい空間で、二人はゆっくり過ごしました。
最後に2つのカフェのみなさんで写真をお願いしました。あれ、私服と制服なのに妙にトータルコーディネートされてませんか?
みなさん、やっぱりどこか似ているのかもしれません。
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湘南モノレールに初めて乗ってもらい、歩いて、食べて、楽しんだ、ちょっと遠回りの半日旅はどうだったでしょうか。
「実のところ店を始めてから妻と出歩くこともなかったんです。あの後ゆっくり江の島を散策して、いい時間を過ごさせていただきました」と耕三さんから連絡がありました。
そして、「昔の少年誌の巻頭特集にあった『未来想像図』に登場しそうな乗り物が古風な鎌倉という街を走っているという、レトロだけど新しい感じが実によかったなぁ」と初めての湘南モノレール体験を振り返ってくれました。そして、「友だちが鎌倉に来るというときには、大船から湘南モノレール経由でとすすめます」とも。
さて、今度はどんな湘南モノレールバー人(ジン)を空中散歩に連れて行きましょうか。