湘南江の島をあてどなく散策していたら、気になる看板が目についた。
紅白のしま模様の三角形。工事現場で見かけるカラーコーンのようだ。
どうやら日本でたった一つの灯台グッズ専門店らしい。
店名の「ライトハウスキーパー」は灯台守を意味している。
世界の著名な灯台レプリカがずらりと並ぶ。
地元湘南のハンドメイド作家が作ったミニチュア灯台もあった。
ボトルに入ったちっちゃな灯台は親指の爪ほどしかない。
珍しいところでは「灯台の香りの香水」なんてのも置いてある。
すごく甘くてフェミニンな香り。灯台ってもっとコンクリじみた無骨な匂いだと思っていた。
世界200基の灯台を巡ったマニアなお店
店主の山口さんは、日本の灯台100基くらい、海外灯台100基くらい、計200基の灯台を巡り歩いた筋金入りの灯台マニアだ。
灯台グッズ専門店をやるなら海辺がいいなと、江の島に居を構えた。
「この店は13年目。たいして儲かりませんがね、リタイヤ後に何もやらないよりいいだろうって半分趣味でやってます。灯台グッズだけじゃ成り立たないから、観光客向けのパーカーやビーサンも売ってますよ」
こちらは兵庫県西宮市にある今津灯台のレプリカ。企画製造から携わったオリジナル商品だ。
工場から「最少ロットの1000個から」と言われ、当初はひるんだそう。趣味でやってると言うにはずいぶん気合いが入ってる。
「オリジナルの灯台レプリカは合計5つ作ってます。
この今津灯台なんてよく出来てるでしょ。10mほどの小さな灯台でね。明治時代は灯明台と呼ばれて、灯油を燃やして光を灯してたんですよ。
普通に作ったら、つるっと無機質になっちゃう胴体部分も木造っぽい渋さがある。
中国に灯台レプリカをメインで作ってるメーカーがあってね、世界中の灯台グッズ作ってるからマニアが喜ぶ勘どころが分かってるんですよ」
江の島灯台もあった。こちらもオリジナル品。
「左が旧江の島灯台、右が今の江の島灯台。2002年に建て替えがあったんだけど、半年間だけこうして新旧灯台が一緒に建ってたんです。
旧灯台はね、もともと戦時中のパラシュート練習台。二子玉川から移設して灯台にしました。旧灯台が好きなファンが多くてね、このデザインにしましたよ」
次回は山口さんに「灯台の魅力」を熱く語っていただく。
「Lighthouse Keeper(ライトハウスキーパー)」
営業時間:11時~18時
定休日:不定休(雨の平日は休みがち)
住所:神奈川県藤沢市片瀬海岸1-12-23
アクセス:湘南江の島駅から徒歩7分