そしてついに5大面白レールの第5弾、最後の乗りものにたどりついた。それはロープウェイ。
果たしてロープウェイがレールに含まれるのか、という疑問もあるかと思うが、そのへんは深く考えない。レールはなくてもロープはあり、それに沿って進むとという点で電車の仲間と考えたい。厳密な話はいいのだ。
さて、この箱根ロープウェイ。出発点はケーブルカーの終点早雲山だ。1分おきにどんどん来るので、混雑していなければ待つ必要もない。これで大涌谷を経由して、芦ノ湖畔の桃源台駅まで24分で行くことができる。
仮に鎌倉駅を出て途中下車せずにやってきたとしたら、このあたりでちょうど3時間が経過する計算になる。たった3時間で5つ目の乗りものに乗ろうとしているという濃密さ。そしてこれ全部、神奈川県なのだ。
神奈川県、グッジョブ!
この日は外国人観光客が多く、少し並ぶ。ロープウェイに乗る前にこんなものが配られた。
火山ガス吸い込み防止用シート
ちょっとビビるが、ガスマスクでないところを見るとそれほど気にすることはないのだろう(実際使うことはなかった)。
ということで、いざ出発!
ゴンドラは18人乗り
さっきまで江ノ電で海辺を走っていたのに、今はもうこんな急な山を登っている。
空をいくところはさっき乗った湘南モノレールと同じだが、乗り心地は全然違う。あっちはジェットコースターだったが、こっちはのんびりだ。
あのてっぺんの向こう側はどうなっているのかな
てっぺんに着いた
どーん
尾根を越えるといきなり大展望が広がった。大涌谷である。
噴煙をあげる大涌谷
温泉の匂いがする。ふり返ると遠くに後ろのゴンドラが見えた。
こんなに長い距離なのに支柱がない
すごい景色である。
やがて大涌谷駅に到着するので、いったん降りて迫力の景色を堪能するのもいい。しかし今回は乗りものがメインなので、そのままゴンドラから降りずに先へ進む。
そこからは高原地帯の上をのんびり空中散歩。
遠くに見えるのは芦ノ湖
次の姥子駅では、ロープウェイが曲がるところが見られる。ロープウェイだって曲がれるのだ。これって珍しいことなのだろうか。そのへんはよくわからないが、小さなタイヤがいっぱいついたガイドレールが面白い。
ロープェイがカーブ
ちなみにこの姥子駅を降りるとすぐ外に昔の古いゴンドラが展示してある。今のゴンドラは広いが、かつては結構狭かったようだ。
旧式のゴンドラ
そして、ついにロープウェイは終点の桃源台に到着。5大面白レールの完全踏破を達成した。
桃源台
ここまで鎌倉駅を出て3時間半。
もう一度いう。
たったの3時間半だ。
鎌倉駅を10時に出て、この時点でまだ13時半だ。
なんという充実感だろう。往復7時間として、途中大涌谷などで休憩することを考えても1日で余裕で遊べる時間だ。
こんな濃厚なルートはそうそうないぞ。
路面電車
↓
懸垂式モノレール
↓
登山鉄道
↓
ケーブルカー
↓
ロープウェイ
(ふつうの電車は除く)
海、空、山、山、空の旅。
ちなみに、これを立山黒部アルペンルートと比較してみる。
立山黒部アルペンルートはこうだ。
トロリーバス
↓
ケーブルカー
↓
ロープウェイ
↓
トロリーバス
↓
ケーブルカー
(ふつうのバスは除く)
単純に比較しても、今回のルートのほうがバラエティに富んでいることがわかる。仮にポーカーでいうなら、立山黒部はトロリーバス2回、ケーブルカー2回で、ツーペアに過ぎないが、神奈川面白レールは、ロイヤルストレートの趣きがある。しかも立山黒部のトロリーバスのひとつは2019年には電気バスに変わるというから、ワンペアになってしまう。
日本でトロリーバスに乗れるのは立山黒部だけというメリットはあるが、こっちだって懸垂式モノレールは日本に2か所(列車型の公共交通機関で)しかないのだ。絶景では立山黒部にはさすがにかなわないかもしれないけれど、乗りものだけでいえば、こっちの勝ちと言ってもいいのではないか。
しかもそれだけではない。まだ物足りないという人には、さらに芦ノ湖遊覧船に乗るという選択肢もある。
芦ノ湖遊覧船
今回は5大レールがテーマなので、ここまでで終わりにするが、桃源台駅の向かいにある湖尻港から元箱根港へ向かって戻ってくると1時間10分。そのあと鎌倉へ戻っても十分に日帰り可能である。
そんなわけで、大充実の5大面白レールの旅でした。
全国の乗りもの好き諸君、神奈川県にゴーだ。
つい乗ってしまった