面白レール第2弾は、湘南モノレールである。
江ノ電江ノ島駅と、湘南モノレール湘南江の島駅は、隣接している。江ノ電の踏切を渡ったところにある交差点の向かい側は、単なるふつうのビル工事現場にしか見えないが、何を隠そう、実はこれ湘南モノレールの駅なのだ。
ぶははは、見破ったかホームズくん。
こう見えて稼働中の駅なのだ
このビルが駅だということは案外知られていない。現在(2018年4月)増築工事中だが、11月にはかっこいいビルになってお目見えする予定。 しかし、いったいどこにモノレールがあるんだ。どこにも見えないじゃないか。
そうなのである。モノレールは江ノ電から見て反対側から出ているので、全然見えないのだった。
惜しい。
見えたら絶対乗りたくなるのに。
その証拠に裏に回るとばっちり見える。
裏はこうなっている
わかりにく理由はもうひとつ。それはモノレールのプラットホームが5階にあることだ。車両は上のほうを走っているので、見上げないと見えないのである。
プラットホームまではエレベーター(11月にはエスカレーターが登場予定)で上がる。階段もあるので、運動不足の人は歩いて上るのもありだ。
ここで、ふしぎなのは、江ノ電の駅は江ノ島駅なのに、湘南モノレールの駅は湘南江の島駅と、「の」がひらがなになっていることだ。
「ノ」VS「の」
なぜ同じ地名のはずなのに違うのか。
理由はわからない。
が、わたしの推理はこうだ。
「ノ」は島から江に向かってすべり落ちる形になっており、それは江ノ電の、陸から海へつっこんで行こう、というウォータースライダーみたいな気持ちの表れと考えられる。
一方「の」は、途中でループになっている。これは湘南モノレールが空で1回転したいという、実際はしないけれども、ジェットコースターみたいな乗りものだというアピールではないか。
それぞれノ(の)に自分たちのアイデンティティをこめているのだ。
いや、知らんけども。
大船に向けて出発
ともあれ、江ノ電から湘南モノレールに乗り換えて、大船まで行くのが、次のミッションである。
言うまでもないことだが、湘南モノレールの面白ポイントは、懸垂式という点だ。
レールにぶらさがっている。そんなモノレールは日本に4か所しかない。そのうち本格的な列車型の公共交通機関としては千葉モノレールとここだけである。
乗ってみるとその面白さはすぐにわかる。
まるで空を飛んでいるような乗り心地なのだ。
といっても、飛行機とは違う。すぐ下に道路が見えるし、実は微妙に窓が下向きに傾いていて、 真下を見下ろしながら乗っていられる。ほうきに乗って飛ぶ魔女はきっとこのぐらいの高さを飛ぶのだろう。ちょうどいい浮遊感。
スピードも出るので、まさに飛んでいるよう
そんな高いけど高すぎない眺めも面白いけれど、駅がまたユニーク。これを見てほしい。
西鎌倉駅に接近しているところ
なんと、懸垂式モノレールの駅は板なのである。
何かに似ていると思ったら、バンジージャンプの台だ。こんなところにも湘南モノレールのアトラクションぽさが滲み出ている。
さらに途中トンネルが2か所あるが、懸垂式モノレールでトンネルは珍しい。そもそもこんな山あり谷ありの場所をモノレールが走っていること自体珍しい。
レールが上にあるということは、トンネルの床はどうなっているのだろう。道路も線路もないトンネルの床。
んんん、想像がつかない。ただ真っ平らなのかといえばそうではない。
真実は実際に乗って確かめてみてほしい。
懸垂式モノレールのトンネルは日本ではここだけ
そうしてモノレールは湘南江の島から約14分で大船駅に到着する。たった14分だけの空の旅だった。鎌倉を出て、ここまで途中下車しなければ、だいたい40~50分。もっと乗っていたい気がするが、1日で5つの面白レールに乗るというミッションのためには、そうも言っていられない。
すでに2つ制覇した。ここからはいったんJRで移動である。
大船観音と湘南モノレール