3月最終週、暖かい日が続き、桜も満開になった。夜空には満月。つまり今は大潮。
少し早いかもしれないけど、明日は磯へ行ってみよう。そろそろ海の生き物たちが出てきているのではないだろうか。
湘南モノレール沿線の磯といえばやはり江の島。富士山を眺めながら弁天橋を渡り、島に着いたら左方向へ。「貝作」の海鮮焼きや焼きとうもろこしなどの美味しそうなにおいにそそられつつ、「しらす問屋とびっちょ」前の人だかりをすり抜けつつ、猫に遊んでもらいつつ、歩いて行くと、大きな駐車場の向こうに防波堤が見える。それに沿って右へ歩くと、磯へ出ることが出来る。
到着。
初春の潮だまり。
ちょうどいい感じに潮がひいていた。潮だまりを覗き込むと、早速アメフラシの子どもを発見。
ほらここに。
アメフラシの子ども。
小さなカニやヤドカリの姿も見られた。もっと面白いものはいないかと探していたら、釣りをしていたおじさんに「フグいる?」と声をかけられた。どうせあとで逃がすんだからさ、と、指さす先には、足元の潮だまりに入れられた外道のフグ。持って帰って飼ったらいいじゃん、と、さらっとおすすめされたけど、うーん...。でも、せっかくだから写真だけ撮らせてもらうことに。ついでにちょっとつっついてみたりして。
キューキュー鳴きながらプクーッ!お怒りの様子。
お礼を言って先へと進んだ。
イソギンチャク。
指で触ると触手をギュッと中へ巻き込み縮こまる。
ひじきがゆらゆら。
フナムシ。
岩場。
岩場へ到着すると、岩と岩の隙間に、見過ごせない輝きを発するものを発見。お土産屋さんで売られているようなきれいな貝だ。あれ?今動いたような。波に揺られたのではなく、自らの意思で。しかも貝らしからぬ動き。
タカラガイ系?
つまんでみたら、中にヤドカリが入っていた。
いいお住まいで。
地味でフツーの巻き貝(失礼!)と違ってとても見栄えがする家だ。なんともお目が高い、なんて感心しながら眺めていたけど、あることに気が付いてしまった。
隙間はこれだけ。かろうじて頭と足がちょこっと外に出ている感じでとても窮屈そうだ。次の引っ越しはどうするのか。きちんと外に出られるのだろうか。いや、そうは思えない。となると、このヤドカリは一生この家で暮らしていくことになるのだろう。それどころか、この先成長して大きくなったらもはや生きていけないかもしれない...。
タカラガイに入ったオタカラヤドカリ!と盛り上がっていた気分が一転して切ない気分になった。
でも、そんなことはおかまいなし、とばかりに、周囲にはまぶしい太陽と気持ちのいい景色が広がっていた。
磯の生き物観察@江の島(初春)-後編へ続く