湘南モノレールの駅から歩いて富士山を目指すとしたら、どのくらいかかるのだろうか。行けないことはないだろう。でも大変だろう。
今回登場する富士山とは、その富士山ではなく、「富士塚」のことだ。
江戸時代、関東地方では富士山を拝む富士山信仰が大流行したという。この富士山を信仰するグループが「富士講」だ。が、一般人は富士山へ行きたくてもそうそう行けるものではない。そこで、富士山のかわりになるミニ富士山を地元に築いた。これが「富士塚」だ。富士塚をお参りすれば、富士山を登拝したのと同じご利益があるとされたらしい。そんな富士塚が湘南モノレール沿線にある、と上司に聞いた。行ってみることにしよう。
湘南町屋駅。
スタートは湘南町屋駅。鎌倉中央公園へ向かう登り坂を上っていき、最初の角を右へ。その先も迷ったらとにかく右へと進んでいけば富士塚にたどり着けるとのことだったが...。
道中の公園。その名も「富士塚公園」。
そういえば、子どもの頃にみた何かの本に「目隠しをされて迷路の中に入れられたら、右手を壁につけ、そのまま壁づたいに歩けば必ず出口に出られる」と書いてあったことを思い出した。そんな感じで右へ右へ(坂道なら上へ)と進んでいくと、畑の向こうに木々が見えた。
到着。
ここが「富士塚」だ。山へと向かう階段がある。
手前の物体は?
入口をふさぐように置いてあった年代物と思われる物体が気になったので、コッソリ中を覗いてみたら、立派なバイクが入っていた。近所の方のものなのだろう。富士塚とは関係なさそうだ。
階段を上った左方向にふたつの石碑が見えた。が、まずは先に頂上に向かいたい。
道だよね?
道だよね?というような心もとない道をいくと...
あっという間に富士塚登頂(ってことは富士山登頂?)
湘南モノレールも大船観音も見えてとても見晴らしがいい。これは確かにミニ富士山だ。頭部がない石像の後ろ姿がみえたので、前に回り込んでみると、その台座部分に富士山のかたちをしたマークがあった。これが富士講の証なのだろう。
富士山のかたちをしたマークがある。
「富士山を目指せ-後編」へ続く