第3回 写真映像作家としての視点で見る
何度も湘南・鎌倉に足を運んでいたのに、湘南モノレールの存在自体を知らなかったという写真映像作家の松井みさきさん。初めて大船駅から乗車、左右の景色を楽しみ、「まるでアトラクション」とつぶやき、そしてたった1枚だけ写真を撮って終点の湘南江ノ島駅に到着。今度は大船に向かって引き返すことに。
運転席越しに見た
「やっぱり下に何もないから、ずっと空を飛んでいるみたい」
帰りはみさきさんの希望で先頭車両の一番前に立ち、運転士さん越し進行方向を見つめます。行きに座席から見た景色とは全く異なるビジュアルが飛び込んできました。
「駅のホームの下の板。何でしょう、あれ」
プラットホームの下に突き出ている板状の鉄骨。よく乗っている自分にとっては当たりまえ過ぎていたし、ホームに立って列車を待っている時にも気にしたことなんてありませんでした。ところが写真映像作家さんだけあって視点が違いますね。
で、あらためて考えてみたら分かりました!
もしあれがなかったら、プラットホームの下がいきなり十数メートル下の道路ということ。落ちたら大変。何か落としても大変。そもそも足がすくんでホームに立てません。あれがなかったら、車両に乗るのも命がけですよね。
ファンとして見た
「オジコだ、オジコ。なんで?」
駅での行き違いで前からやって来て反対のホームに滑り込んだOJICOブランドのラッピングトレイン。「こんな車両もあるんですね」と鎌倉や湘南のイメージが描かれている車体に釘付けです。「好きなんですよ。かわいいから。またTシャツ買いたくなっちゃいました」と盛り上がった瞬間です。
「Just Because!って」
こんどは駅に貼られたポスターや車内の窓上に並んでいるアニメ「Just Because!」の画像が気になっている様子。モノレールや沿線が舞台のアニメ作品であることを伝えました。すると「アニメではないんですけど、私の弟、マンガ家なんです。月刊誌に連載したり、コミックも数巻出てるんですよ」。姉弟で作家さん、しかもビジュアル系とは驚きです。
https://www.heros-web.com/works/gegokujo/
「なんだか、湘南モノレールっていろいろやっていて面白いですね」
映画監督として見た
「・・・・・」
また大船駅で折り返し、再び湘南江ノ島駅へ向かいました。すると、途中からすっかり静かになってしまったみさきさん。実は映像作品のアイデアが浮かんできたようなのです。
「男女を描く映像が浮かんできました」
とぽつり。初めて体験した湘南モノレールのぶら下がる、揺れる、スピード、アップダウン、車両の行き違いなどをヒントに映像監督としてのアイデアが湧いてきたそうです。それほどインパクトがあったのでしょうか。
アニメに続き、実写で湘南モノレールがテーマになった作品が生まれたら!と思うと、ちょっとドキドキしちゃいますね。
みさきさんを連れて来て、乗ってもらって良かった...そう思っていると、最後のトンネルを抜け、車両は湘南江の島駅に到着したのです。