図鑑で見た記憶にある姿かたちと似ているようだ。それに、餌といわれるカワニナに頭をつっこんでいるではないか。もし本当にそうだったら...実物にお目にかかったのは親子ともに人生初だ。これはすごいぞ。
逃げる気配も全くなかったので、手でそっとすくってみようとしたところ、「俺が!」と横取りされてムッとした。発見者だから仕方ないが。
プラケースに入れた様子がこれ。
むっちりしたお姿
あとで管理棟に寄って正体を確かめようと写真を撮っていると、息子が川からまた何か捕まえてきてポイっと入れた。
イトトンボのヤゴ追加。と、おまけのカワニナ。
田んぼ脇の川。
ところで、生き物を捕まえた時の親子のルールがある。
「捕ったものは捕った場所に逃がす」というものだ。
小さい時は難しかったが、今はほぼ守れるようになった。あとでゆっくり観察してから川に戻そう、ということになり、この場にプラケースを置いたまま先に進むことにする。
御所川ではまた違うヤゴを捕まえた。
死んだフリ
コシボソヤンマのヤゴだ(多分)。手の上にのせるとクルッと反り返り、死んだフリをする。
背筋が強いねーなんて盛り上がっていたら、入口方向から歩いて来た御一行様に声をかけられた。
「あの...田んぼにプラケースお忘れじゃないですか?」
はい、お忘れというか、置き去りにしてきました。
「あの中に入っていたのは、ゲンジボタルの幼虫ですね」と教えてくれる。
あぁ...、あれはやっぱりホタルの幼虫だったのだ!!
喜びを十分に噛みしめる。
ところで、この方々はこれから調査に行くところだという。広町は都市林だ。都市林とは「主として動植物の生息地または生息地である樹林地等の保護を目的とする都市公園」のことをいうらしい(参照:鎌倉市ホームページ)。つまり、広町は手付かずの自然ではなく、人により管理されている自然。ここの豊かな生態系は、こういう方たちをはじめ多くの人々により保たれ、守られているのだ、ということを肝に銘じる。
さて、ここからがいよいよ本日のメインイベント、カマキリのたまご探しだ。
「誰かが見つけたと言っていたのは、確かこのあたりだと思うけど」という場所を探すと...
発見!第一号(オオカマキリのたまご)
他にもないかな、とさらにキョロキョロすると...
あった
ここにも
まだまだ
まさにカマキリ(のたまご)天国。
全部でゆうに10個以上は見つけただろうか。
一度にこの数に出会うことはなかなかないかもしれない。
この結果に満足し、ふぅっと一息つく。
我に返ると、ここには日差しがたっぷり降り注ぎ、家の中にいるよりよっぽど暖かいことに気付く。そして、空も広くて青い。
いい休日だ
Uターンして先ほどの場所に戻り、ホタルの幼虫をじっくり観察したあとリリースした。
「オトナになる頃にまた会いに来よう」
「また俺たちに捕まっちゃうかもね」
先ほどの方たちに聞いた話によると、ゲンジボタルは早ければ桜の散る頃から見られるらしい。そして、まずは入口側(管理棟に近いところ)から出現し、時期が遅くなるにつれて奥地でみられる傾向にあるらしい。
歩いていると、桜の木にまたカマキリのたまごを発見した。今度はさっきのより小さくて細長い。違う種類のものなのだろう。
春までご安全に
管理棟まで戻ってきたら、さっきの続きをまたやろうと誘われた。ほらほら、追いかけてごらん、とばかりに挑発してくる。
「虫を探す目」はとっくに追い越されているけど、走りではまだ負けていない...はずだ。大人の本気の走りを見せてやろう。
おまけ:広町で出会ったカマキリ(コカマキリ)2017年初冬撮影