江の島では先月11月25日に「湘南の宝石」がいよいよスタートした。日頃、普通に「灯台」と呼んでいる江の島の灯台も、この時期ばかりは「江の島シーキャンドル」というカタカナでの呼び名がふさわしい風貌になる。そのきらびやかな様子は遠目からでも十分美しいが、近くから見るとさらにすごい迫力の美しさ。キリっと冷たい空気の中だと、イルミネーションのきらめきが一層映えるのだ。ぜひ島を訪れてその目でみてほしい。カメラを向ければ、誰もがSNS映えする写真が撮れるのも魅力のひとつだ。
江の島シーキャンドル
そしてもうひとつ、知る人ぞ知る、湘南モノレール沿線の冬の風物詩であるイルミネーションがある。ひょっとしたら、地元では「湘南の宝石」よりも楽しみにしている人もいるかもしれない。
それは「西鎌倉駅」から徒歩3分ほど、駅からも見ることが出来る個人宅のイルミネーションだ。
駅から見えるのは、広い庭の傾斜を利用したイルミネーションで、ふたつ並んだとんがり屋根のお家がキラキラ輝いている。湘南の宝石と同じく、遠くからでも十分目を楽しませてくれるが、さらに、駅から上り坂を少し登り、家の正面にたどり着くともっとすごい。そこだけテーマパークのような趣だ。そこだけ、と言ってもとにかく広いので、イルミネーションにも迫力があり、ツリーやトナカイ、サンタの姿もあったりしてとてもカワイイ。西鎌倉駅に通じる道なので、道行く多くの人たちが思わず目を向ける。また、少しスピードをゆるめて車道を走る車からも「わー、ピカピカだね!」とはしゃぐ子どもの声も聞こえてきた。
駅側の光景。すくすく育ったソテツの奥には傾斜が広がる。そこにもイルミネーションがあるので実際はもっとすごい。
家の正面側。
Merry☆Christmas
先月、こちらのお宅を訪れたら、とても素敵で気さくなご夫婦が出迎えてくれた。
これだけの大掛かりなイルミネーションなので、業者の方にお願いしているのでは、とか、電飾系のお仕事をされているのでは、と、なんとなく想像していたが、どちらも答えはノーで、業者も入っておらず、お仕事とも全く関係なく、ご夫婦おふたりだけで準備をされているそう。
「毎年11月26日の点灯を目安に、約1か月ほど前から庭の草刈りなどをすませ、時間を見つけてはふたりで準備しています」とのこと。しかも、設置したらそれで終わり、ではない。切れている電球を交換したり、天候不順(例年12月は2回ほど天候が荒れる傾向にあるとのこと)によるメンテナンスも欠かせない。維持するのも決してラクとは思えないけど、なぜここまでして?
「もともと好きではじめたことですが、ここまで続けられているのは、やはりみんなに楽しんでもらいたいからでしょうか。通りがかる人から、毎年楽しみにしています、との声をかけていただいたり、ポストにお手紙をいただくこともあり、それがとても嬉しくて。」とのお返事が。イルミネーションをはじめて今年で15年目を迎えるそうだ。
今の時期は、湘南モノレールの終電後にはイルミネーションが消えるようにタイマーがセットされているが、クリスマス期間の12月23日からは夜通し点灯するそう。12月26日には、トナカイなどのクリスマス関連のものはすぐに片付け、12月28〜30日はお正月の準備をする時期なので点灯は控えている。そして年末年始の31日夜から1月4日朝までは再びオールナイトだ。このように、実はとても細やかなスケジュールが組まれている。
先日の夜、見に行った時は、新作のプロジェクションマッピング、雪の結晶もゆらめいていて、ますます進化しているようだ。ただ、色々なお話をお伺いしたあとだっただけに、今年は例年よりも一層ほっこりとあたたかい、優しいイルミネーションにみえた。住宅地だし個人のお宅なので、あまり長く滞在するわけにはいかないが、この「もう少し見ていたいけど...」というところが、またいいのかもしれない。
西鎌倉駅前の歩道橋から。
モノ散歩-湘南モノレール「西鎌倉駅」から徒歩3分
冬を彩るイルミネーション「西鎌倉の宝石」