「鎌倉のお寺に奈良のゆるキャラ、せんとくんの兄弟がいるらしい」という噂にあるお寺とは、西鎌倉駅から徒歩10分ほどにある「青蓮寺」です。正式名称は「飯盛山仁王院青蓮寺(はんじょうざん におういん しょうれんじ)」。本堂に祀られている弘法大師像は、膝などの関節が鎖で動くとても珍しいもので、国の重要文化財に指定されています。これに由来して、青蓮寺は「鎖大使(くさりたいし)」とも呼ばれています。お寺の目の前にあるバス停も「鎖大使」なので、地元の方にとってはこちらのほうが馴染みがある呼び方かもしれませんね。
青蓮寺(通称鎖大師)。
本堂にある弘法大師像は、年に数回の御開帳時のみお目にかかることができる。
いぼの治癒に験があるとされる「椿地蔵(通称いぼ地蔵)」も、この界隈では昔から親しまれているお地蔵さんです。数年前までは他の場所(「手広」交差点そば、現在ラーメン店がある付近の角地)にありましたが、青蓮寺に引っ越してきました。いぼのような?コロコロした丸い石がたくさんお供えしてあります。
椿地蔵(通称いぼ地蔵)。
椿地蔵の裏手には池があり、その奥に広がるのは「飯盛山」。青蓮寺にはこんな言い伝えがあるそうです。
『その昔、弘法大使が山(飯盛山)で修行中、美しい天女(江の島の弁天様)が現れて力を貸してくれました。無事に修行を終えると、天女は一粒の仏舎利を託して池に姿を消してしまいました。その翌朝、弘法大使が目を覚ますと、池には見事な青い蓮の花が一面に咲き誇っていました』
これが青蓮寺というお寺の名前の由来でもあるのでしょう。
池の奥には山へと向かう入口があります。山中のところどころに石仏があり、お参りすることが出来ます。
池の奥にある山へと向かう入口。
山の頂上付近にある「弘法大師護摩修行之霊場」と書かれた碑。弘法大師が護摩を焚いたとされる場所。
さて、境内に戻り、いよいよせんとくんの兄弟です。
青蓮寺動物供養墓のご本尊「伐折羅(ばさら)童子」。
せんとくんの兄弟と噂があるのも納得、これはせんとくんの生みの親である彫刻家、籔内佐斗司(やぶうちさとし)氏が考案・制作した像なのです。右手に持つ剣は「仏の智慧」を表し、左手に持つのは「願いを叶える宝珠」とのこと。動物供養墓のご本尊なので、像の周りを小さな犬・猫・鳥・魚が囲んでいます。
五輪塔童子。
籔内氏によるものとしては他にも「五輪塔童子」があり、それぞれ金運、健康運、勝負運、出会い運、恋愛運をもたらすとされています。優しく触れながらお願い事をすると願いが叶うそうです。
ずらりと並ぶ。みんな違う。
春の様子。
秋には紅葉が見事。
境内は四季折々の花も楽しめ、池にはコイやカメの姿もみられます。お散歩がてら訪れてみてはいかがでしょうか。
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モノ散歩-湘南モノレール「西鎌倉駅」から徒歩12分
「青蓮寺」
http://kusaridaishi.jp/
神奈川県鎌倉市手広5-1-8